Logic Pro リバーブの基礎知識

リバーブの基礎を見ていく前に

リバーブは、ミックスの基本となるプラグインで、イコライザ、コンプレッサー、の次に使用する回数が高いプラグインになります。

リバーブは、ディレイと違い機種によって異なるパラメータをそなえています。

これは、機種ごとにリバーブの設定の仕方自体が違うからになります。

このプラグインの使い方がわからないと、曲全体が全然まとまりません。お風呂にいるかのような音になってしまいます。

それか、ドラム缶の中で歌を歌っているような感覚にもなります。

リバーブを正しく使い、習得すると自身の楽曲がハリウッド映画のような豪華な曲に仕上がる一方、一歩間違えるとむちゃくちゃダサイ、カラオケでエコーがかかっていない音痴が歌う『カエルの歌』になります。

それは避けたい!!

ということで、そんなことが嫌なあなた!!本日のこのページでリバーブを習得していきましょう。

ちなみにLogic Proで使用できる既存のリバーブは以下の種類があります。

気になる方は、エフェクトの使い方を確認してみましょう。

Reverb

  1. ChromaVerb(クロマバーブ)

  2. EnVerb(エンベロープ・リバーブ)

  3. SilverVerb(シルバーバーブ)

  4. Space Designer(スペースデザイナー)

それでは見ていきましょう。

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リバーブとはそもそも何なの?

リバーブ(リバーバレーション)とは、音が様々な物体の表面に反射する自然現象のことを指します。

私たちの日常生活において、この空間反響は常に存在しています。

音は空気を通じて耳に届くため、空間感を感じさせない音は非常に不自然で薄っぺらく、ある意味で不正確に聞こえるものです。

しかし、スタジオレコーディングの現場では、特殊な技術やツールを使って空間の音響特性を極力取り除いたドライな音を追求します。

これにより、より良いミックスバランスを作り出し、より良いマスタリングを可能にすることができます。

クリーンな音から始めることは重要です。

それでも、私たちが空間反響を聞き慣れているため、楽曲にも適度な「反響する空間」が必要とされます。

ここでリバーブの出番なのです。

ミックスが整理され、音量バランスも調整され、ある程度の完成度に達したら、次は「反響する空間」を加えていきましょう。

それがリバーブ(リバーバレーション)です。

また、リバーブと言うプラグインは、音に響きをくわえることで、擬似的に(機械で再現した響き)残響音を加えた音に変更してくれます。

そうすることで、教会で歌を録音しなくても教会の中にいるかのような響きにすることもできるのです。

普段私たちが生活している環境音や音楽などは、密閉されたヘッドホンで聴かない限り、残響音が付加された音を聴いていることになります。

この残響音(リバーブ)は壁や天井に反射した音が複雑にまざりあってできた残響音を聴いていることになります。

リバーブには次の2種類のリバーブが存在します。以下見ていきましょう。

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リバーブの重要性について

リバーブは、優れたミックスエンジニアになるために理解すべき重要な要素です。

これは単なる実用的なツールだけでなく、クリエイティブなエフェクトとしても利用されます。

リバーブは、楽曲に目に見えない深みや厚みを与えることで、リスナーを作品の世界に魅了する力を持っています。

リバーブは、リスナーを楽曲の魅力的な世界へ誘導するための不可欠な手段となります。

その深みや厚みは、楽曲に立体感や空間を与え、音楽を聴く人を魅了し続けます。

そのため、ミキシングにおいてリバーブの適切な使い方を学ぶことは、最高のミックスを実現するために欠かせないスキルと言えるでしょう。

リバーブの扱い方は奥深く、多くの学びどころがあります。

優れたミキシングを目指すなら、このパワフルなエフェクトツールを知り尽くし、効果的に活用する方法を習得することが重要になって来るでしょう。

リバーブの種類とは

先ほどリバーブには2種類存在すると言いましたが、まず一つ目はデジタルリバーブです。

これはDAWに元々付属しているものや、サードパーティー(有料で購入したプラグイン)の中に入っているものなどいろいろ存在します。

ボタンをポチポチするだけでカンタンに残響音を足すことができます。

操作することでいろんな残響音をつけることができます。

もう一つがIR(インパルス・レスポンス)というコンボリューションリバーブ(サンプルリバーブ)です。有名なのがWavesのIR-Lです。

これは、先ほどのデジタルリバーブとは全くがいねんが異なります。

このリバーブは、音の響きのデータ自体を読み込み、それを音に取り込んで使用するリバーブになります。

初期のコンボリューション・リバーブは、IRファイルの響きをそのまま使うのが一般的だったんですが、最近では、リバーブタイムなどのパラメータをいじれるものが主流になっています。

砂漠や洞窟の中の残響音をぎじ的に作り出すことで、その場所に行ったかのような響きにしてくれます。

センド系とインサート系

エフェクトのかけ方は、次の2通りのかけ方があります。

①のインサート(トラックに縦一列プラグインをかけていくやり方)

②のセンド(Busを経由してAUXオグジュアリーチャンネルに音を渡すやり方)

基本的に空間系のエフェクトは②のセンドでかけるのが一般的ですが、最近ではインサートでかける方が多くなってきた気がします。

パソコンのスペックが良くなり、センドでリバーブをかけなくても良くなったからかもしれませんね。

リバーブのパラメータ

ここからは、リバーブに搭載されているパラメータを確認していきます。基本的にはどのリバーブでもパラメータは同じになりますが、機種やタイプによっては搭載されているパラメータが変わってきますので、あまり深く考えずに、耳で確認しながらリバーブを調整していけばいいでしょう。

リバーブタイプ

リバーブタイプには残響をどのようなタイプで設定するのかを決めることができます。

Hall(ホール)は会場などの残響がものすごく響く場所でのリバーブになります。MIXのマスターに使用したりします。

Room(ルーム)は部屋の残響音を再現してくれます。ピアノ、ホークギターに合います。

Plate(プレート)は金属音になります。ボーカルにはこのプレート音がよく合います。

Chamber(チェンバー)はリバーブの音を作るために反射板をいろんな角度で設置して作り出した部屋の残響をシュミレートしたものになります。ドラムに使用したりします。

Church(チャーチ)は教会です。ストリングスに合いますね。

Spring(スプリング)はバネによって作られるリバーブになります。ギター、オルガン、エレピなどに合います。

このようにタイプ別でリバーブが深くかかったり、少しのリバーブ音がかかったりといろいろな再現が可能になります。

プリディレイ

プリディレイとは、原音が出力されてからリバーブが始まるまでの時間差を設定するパラメータです。

原音

長い設定のプリディレイ

簡単に言うならば、響きの始まりを遅らせると言うことです。

空間の奥行きを作りたいときは、値を大きく設定します。

これは、大きな空間で声を出した時に、その声の響きが跳ね返ってあなたの耳に届くまでに少し時間がかかるような設定になります。

部屋の奥行きが広くなったと言うことです。

プリディレイは『建物の広さを設定する』と覚えておくと良いです。

リバーブを設定するときには、このプリディレイを慎重に決定しましょう。プリディレイの設定で、良くも悪くも楽曲が変化しますので。

リバーブタイム(Decay)

リバーブタイム(ディケイ・タイムとも呼ばれる)とは、リバーブの長さを設定するパラメータになります。

単位は一般的に秒=セカンド(second)となります。

発生した残響成分が減衰して消えるまでの時間になります。

時間を長くすると長い残響音が得られます。

あまり長くすると、残響がひつこく残りますから、全体的にきたない印象になります。

既存の楽曲のテンポやフレーズに合わせて設定しますが、最近ではプラグインが自動で設定してくれる物もあります。

この後に解説するローダンプとハイダンプの設定によっても影響を受けます。

リバーブタイムの大まかな決め方は以下の通りです。

①小さな部屋や、小さなスタジオのアンビエンスは0.7s以下に設定します。

②大きめの部屋は0.8s以上3.0s未満

③小さなホールでの響きは1.2s以上3.5sくらい

④大きな大ホールの場合は2〜5sほど。

⑤ムチャクチャ大きいホールは5s以上

⑥プレートリバーブは2s以上4s未満という具合です。

この数値をうのみにせずに、自分で聞いて良いと思うリバーブをかけるように心がけましょう。

ローダンプ・ハイダンプ

ローダンプ・ハイダンプはリバーブの響きを決める最も重要な要素になります。

このローダンプ・ハイダンプは低域や高域のリバーブの長さを決めるものになります。

これは、リバーブの長さを基準にし%で表示したりします。

ローダンプを100%以上にして、ハイダンプを100%以下にすると、低域が強調されるため『やや暗いイメージ』になります。

逆に、ローダンプを100%以下にしハイダンプを100%以上にすると『明るいイメージ』になります。

フリーケンシーというパラメータで、どの帯域(周波数)の響きをコントロールをするかを決めることができます。

ローは100Hz〜200Hz、ハイは3kHz〜5kHzあたりで固定されている機種が多いです。

サイズSize(Depth)

部屋や建物のサイズを設定できます。値を大きくすると部屋のサイズが広くなりリバーブ(残響音)が広くかかるようになります。また、残響音が長くかかるようにもなります。

逆に値を小さくすると部屋のサイズが狭くなる設定にでき、リバーブ(残響音)が狭くかかるようになります。残響音は短くなります。

イメージとしては、サイズを小さくすると、小さな倉庫で歌を歌っている感じになり、サイズを大きくすると体育館で歌を歌っている感じになります。すなわち、値を大きくすれば、響きも大きくなります。

部屋のサイズは、この後に紹介するパラメータの初期反射音などにも影響してきます。部屋が大きくなると、音が壁にあたり帰ってくる距離が変わるからです。

ディスタンス(Distance)

ディスタンスとは音源からの距離のことで、値を大きくすればするほど音源から離れて音を聴いているようにすることができます。

これはどういうことかというと、人間の耳が音を感じるときは、大きな音ではっきりとした音を『近い』と判断し、残響音を多く含み音像がぼやけた感じの音を『遠い』と感じるのです。

夜中に犬が鳴いたときに、残響音を多く含みぼやけた鳴き声は遠くに感じ、はっきりと鳴き声が聞こえた場合に近くで鳴いていると感じるのもそのためです。

ディスタンスの値を大きくすればするほど、音源から離れていくイメージがわかりやすいでしょう。

下の音源は、ディスタンスの値を徐々に大きくした音源になります。

初めはくっきりと聞こえるため近くに感じますが、だんだんと遠くになっていくのが感じ取れるのではないでしょうか。

目を閉じて聴いてみてください。音が遠くに離れていく感じをつかめるでしょう。これがディスタンスとなります。

ドライとウェット(Dry/Wet)

ドライは、元の音(原音)を言います。ドライの値が100%、ウェットの値を0%にすると、エフェクトがかかっていない、つまり元の音源のみが聞こえます。

リバーブはかかりません。

その逆でウェットは、エフェクトがかかった信号(加工された音)を指します。

ドライ0%、ウェットの値が100%の場合、エフェクトがかかった音のみが聞こえます。

元の音源は聞こえません。

要するに、これらのパラメータは、元の音源とエフェクトをどれだけミックスするかをコントロールするものです。

調整することで、エフェクトの強さやオリジナルの音の残り具合を調整できます。

これによく似たパラメータとしてMIXがありますが、MIXはエフェクト音のみ再生させることができないので、必ず原音とエフェクト音が混ざることになります。

MIXを100%にすると原音にエフェクト音が全てかかることになります。

デンシティ(Density)

デンシティとは残響音の密度を設定できます。

値を大きくすれば残響音がなめらかに減衰していきます。

値を小さくすると残響音が極端に減衰していきます。

アーリーリフレクション(Early Reflection)

アーリーリフレクションは、初期反射と呼ばれる壁からの直接反射音のことです。

反射の多い空間では、広がるリバーブの響きが跳ね返ってくる前に、壁から直接跳ね返ってくる音が聞こえます。

これをリバーブとは別に設定するのが、アーリーリフレクションレベルと言います。

低いアーリーリフレクションでは、初期反射音が弱まり、より自然なリバーブ感が得られることがあります。

高いアーリーリフレクションの設定では、初期反射音が強調され、音が空間内で反射するまでの時間差が短くなります。

これにより、小さな空間やリアルな場所感が得られます。

Early/Late(アーリー/レイト)

Early100 Late0

Early0 Late100

アーリーは初期とか早くという意味で、レイトは後期とか遅くなどの意味があります。

そのため、初期と後期の反響レベルを調整する値になります。

アーリーの値が大きければ初期の反響が早くなり残響音があまり聞こえなくなります。

逆にレイトの値が大きければ残響音が増え、リバーブが多くかかるようになります。

レイトは、アーリーに比べて遅れて到達する反射音を指します。

アーリーとレイトのパラメータを調整することで、音に対する初期反射と遅延反射のバランスを調整し、望みの音響効果を得ることができます。

ウィズ(Width)

ウィズは、リバーブのステレオ幅になります。

値を大きくすることで、ステレオの広がりが大きくなっていきます。どのくらいのステレオ幅でリバーブを鳴らすかを決定する値になります。

リバーブプラグインおすすめ

リバーブのプラグインで、ものすごく使用頻度が高いのが、Waves社のリバーブプラグインになります。

中でもRenaissance Reverb(ルネッサンスリバーブ)は使いやすく、どんな楽器にも合わせることができるので、大変役に立っています。

その他は、True Verb(トゥルーバーブ)なども奥行きが出て、楽曲全体を包み込んでくれます。

バンドルになっているゴールドかダイヤモンドを購入すると、その中にどちらも入っているため一つ持っておく価値はあるのではないでしょうか。

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また、iZotope社のリバーブでNeoverbというリバーブがあるのですが、このリバーブは3種類のリバーブをブレンドし、最適なリバーブを作ることができるプラグインになっています。

Reflection(リフレクション)Plate(プレート)Hall(ホール)の3種類も詳細に設定することができ、Reverb Assistant(リバーブアシスタント)機能を使うことで、AIが瞬時に判断し楽曲に最適なリバーブを自動でかけてくれる画期的なプラグインです。

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リバーブの歴史

リバーブの歴史は古く、昔の曲でも人工的に作られたリバーブを使って録音されていました。今でさえ、プラグインエフェクトなど簡単に曲に追加してリバーブを加えることができますが、昔はさまざまなテクニックを用いてリバーブを追加していたのですね。

そんなリバーブの進化を見ていきましょう。

エコーチェンバー(エコールーム)

エコーチェンバーは、リバーブの原点とも言えるリバーブになります。

1940年頃から、エコーチェンバーという響きのいい部屋をスタジオに設置して、自然な響きを録音していました。

これがリバーブの原点になります。

エコーチェンバーでリバーブをどうやって録音するかというと、部屋(エコールーム)にスピーカーを置き、そのスピーカーから再生させた音をマイクで収音することでリバーブを得ていました。

スピーカーやマイクの位置や距離などを変更することで、リバーブの質感が変わりました。

有名なエコーチェンバーがあったスタジオは『アビーロード・スタジオ』になります。DTMをやっている方なら、一度は聞いたことがあるかもしれません。

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プレートリバーブ

1950年代後半に開発されたのがプレートリバーブです。

プレートリバーブは鉄板を振動させて共鳴させることで、美しいリバーブサウンドを出します。

現在でも、プレートリバーブはさまざまなパートで使われている、馴染みの深いリバーブになります。

特にヴォーカルにリバーブを加えるのであれば、このプレートリバーブは相性がよく、美しいヴォーカルサウンドを作ることができます。

プレートリバーブの元祖が『EMT140』になります。

スプリングリバーブ

1970年代に生まれたスプリングリバーブは、バネを使ってリバーブを生み出す、大変画期的なリバーブです。

バネのリバーブなんて音がいいのか?と思われるかもしれませんが、スプリングリバーブはクオリティの高いリバーブが得られるため、生楽器にはもちろん、歌にもよく合うリバーブとなっています。

ギターアンプにも、このスプリングリバーブなどが定番となっているのです。

CARL MARTIN HEADROOM スプリングリバーブ

デジタルリバーブ

1970年代後半には、デジタルリバーブが台頭(たいとう)してきました。

このデジタルの発展によってゲートリバーブなどのサウンドが生まれることになりました。

1980年代前半に入ると、技術の進歩でデジタルリバーブもかなり進化してきます。

この頃からDSPという音声信号をデジタル信号に変換し、リアルなエフェクトを作る技術が出てきて、デジタルリバーブに搭載されるようになりました。

DSPデジタルリバーブで有名なのが『レキシコン480L』になります。『レキシコン』は抜群の透明感を与えてくれるリバーブで、現在でも『レキシコン』をモデリングしたエフェクト・プラグインは、さまざまな会社から発売されています。

時が流れ、現在では上記のリバーブを再現したプラグイン・エフェクトがさまざまな形として発売されています。

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リバーブ基礎知識のまとめ

リバーブを習得すると、音を自在に操り、その場にいるかのような臨場感あふれる音にできます。

ここで勉強したリバーブの使い方を何回も確認し、自身の楽曲をハリウッド映画の音楽のようにして下さい。

そしてこう言うのです。

『リバーブを制するものは世界を制する』と。

それではまた。

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