ドラムMIDIの打ち込み6選

はじめに

ドラムの打ち込みは、モダンな音楽制作の重要な要素の一つです。

リアルなドラムサウンドを得るためには、正しい手法とツールの選定が必要です。

このガイドでは、初心者から上級者向けに、効果的なドラムの打ち込み方法について解説します。

それでは、基本からしっかりと学んでいきましょう。

拍子、小節、拍を理解する

はじめに、打ち込みをする場合には、拍子、小節、拍を理解する必要があります。

拍(ビート)


拍(ビート)とは、音楽のリズムを形成する基本的な単位です。

一定の間隔で繰り返され、音楽に一定のリズム感を与えます。

たとえば、心臓の鼓動や時計の秒針の「カチカチ」という音が一定の拍を刻んでいるのと同じように、音楽においてもこの拍が一貫しています。

拍は、曲が速いか遅いか(テンポ)を感じさせるもので、足をたたくリズムや手を拍手するタイミングなどで感じることができます。

例えば、4分の4拍子なら、1小節に4分音符が4つ入ることになります。

小節


小節は、一連の拍がまとまった単位で、通常は縦線で区切られています。

音楽はこれらの小節を連ねることで構成され、各小節は特定の数の拍を含みます。

この拍の数は曲の「拍子」によって決まります。

拍子


拍子は、小節の中に含まれる拍の数と、それぞれの拍の長さ(通常は音符で示される)を定義します。

拍子は楽譜の最初に、分数のような形で書かれています。

例えば、4/4拍子は「4分の4拍子」と読み、1小節に4つの四分音符が入ることを意味します。

上の数字が拍の数を、下の数字がその拍の種類(四分音符が基準なのか、八分音符が基準なのかなど)を示します。


4/4拍子は最も一般的な拍子で、1小節に4つの拍(四分音符)が入ります。

ポップスやロックなど多くのジャンルで見られます。


3/4拍子は、1小節に3つの拍が入る拍子で、ワルツなどでよく使われます。


6/8拍子は、1小節に8分音符が6つの拍で入ります。


これらの要素は、音楽を構成する上での骨格のようなものであり、演奏者が同じリズム感で演奏を進められるようにするため、また聴き手が音楽の流れを理解しやすくするために非常に重要です。

ドラムの打ち込みの基本


ドラムの打ち込みを行う際に重要なのは、適切なDAWソフトウェアとドラムキットの選定です。

2-1. DAWソフトウェアの選定

まず最初に、自分に適したDAWソフトウェアを選びましょう。

人気のあるDAWには、Ableton Live、Logic Pro、FL Studioなどがあります。

各ソフトウェアは独自のインターフェースや機能を持っていますので、使いやすさや機能の違いを考慮して選びましょう。

2-2. ドラムキットの選定

次に、どのようなドラムサウンドを求めるかを考え、それに合ったドラムキットを選びます。

リアルなドラムサウンドを得るためには、サンプリングされたドラム音源や仮想ドラムキットを使用することが一般的です。

2-3. パターンの作成

選んだDAWソフトウェア内で、ドラムのパターンを作成します。

基本的なリズムパターンから始め、曲の雰囲気に合わせてリズムを変化させることで、より表現豊かなドラムトラックを作成できます。

これらの基本的なステップを踏むことで、初めてのドラム打ち込みを行う準備が整います。

次に、ドラムのリズムやフィーリングについて詳しく見ていきましょう。

ドラムのリズムとフィーリング


ドラムのリズムやフィーリングを表現することで、曲により魅力的な要素を加えることができます。

3-1. グルーブ感の作り方

ドラムのリズムには、グルーブ感が重要です。メトロノームに厳密に合わせるのではなく、微妙なタイミングのズレや強弱を加えることで、自然なリズム感を演出できます。DAWソフトウェア内のクオンタイズ機能を使いながら、リズムの微調整を行いましょう。

3-2. フィルやフレーズの追加

単調なリズムに変化をつけるために、フィルやフレーズを追加しましょう。ドラムキットの中には、様々な音色やパターンを持つものがありますので、それらを活用してリズムに変化を与えましょう。

3-3. ダイナミクスの調整

ドラムの演奏は、強弱やタッチの差によって表現されます。

ソフトウェア上での演奏では、各ノートのベロシティやエクスプレッションを調整して、リアルな演奏を再現しましょう。

これらの要素を組み合わせることで、ドラムトラックに生き生きとしたリズムとフィーリングを加えることができます。

次に、レイヤリングとエフェクトの活用について見ていきましょう。

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レイヤリングとエフェクトの活用


ドラムのサウンドを豊かにするためには、レイヤリングとエフェクトの使い方が重要です。

4-1. ドラムサウンドのレイヤリング

複数のドラムサウンドを組み合わせることで、より豊かな音色を作成できます。

例えば、キックドラムには低音が、スネアドラムには中音が効果的です。

それぞれの音源の特性を活かしながら、バランスを取ることがポイントです。

4-2. エフェクトの追加

ドラムにエフェクトを追加することで、空間や色合いを付けることができます。

リバーブやディレイなどの空間系エフェクトや、エコーなどの時間系エフェクトを使って、ドラムサウンドを立体的に演出しましょう。

これらの手法を活用することで、よりクオリティの高いドラムトラックを作成できます。

次に、ミキシングとマスタリングのポイントについて詳しく見ていきましょう。

ミキシングとマスタリングのポイント


ドラムトラックを完成させるためには、ミキシングとマスタリングのステップが必要です。

5-1. ドラムのミキシング

各ドラムサウンドの音量やパンニング、EQ設定などを調整して、バランスの良いミックスを作成しましょう。キックドラムやスネアドラムなど、重要な要素には適切なスペースを与えることが重要です。

5-2. ドラムのマスタリング

最終的な仕上げとして、ドラムトラック全体の音圧やエフェクトを調整します。

マスタリングにはコンプレッサーやイコライザーなどのプラグインを使い、トラック全体の音質を均一に整える作業が含まれます。

これらのステップを経て、クリアでパンチの効いたドラムトラックが完成します。

次に、よくある問題とその解決方法について見ていきましょう。

よくある問題と解決方法


ドラムの打ち込みに際して、よくある問題には以下のようなものがあります。それぞれの解決方法について見ていきましょう。

6-1. ドラムの音が浮いてしまう場合

ドラムの音が他の楽器に埋もれてしまう場合、各楽器のパンニングや音量バランスを再調整しましょう。

必要に応じて、ドラムにコンプレッションやEQをかけて、より引き締まったサウンドを作成します。

6-2. ドラムのサウンドが薄い場合

ドラムのサウンドが物足りない場合、レイヤリングやエフェクトの追加を考えましょう。

複数の音源を組み合わせることで、より豊かな音色を作成できます。

6-3. 他の楽器とのバランスが取れない場合

他の楽器とのバランスが難しい場合、各楽器の音量や周波数範囲を調整しましょう。

必要に応じて、各楽器にEQをかけて、競合する周波数をカットすることで、よりクリアなサウンドを作成します。

これらの問題が起きた際には、適切な対応をすることで、よりバランスの取れたドラムトラックを作成できます。

最後に、まとめを行いましょう。

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シャッフルとスウィングの違い

シャッフルとスウィングはよく似たものと思われていますが、実は少し違います。


シャッフルは「跳ねる」リズムで、「長-短」のパターンが三連符に基づいています。

それに対してスウィングは、より「流れる」リズムで、8分音符の「長-短」パターンに基づいています。

シャッフルはもっとリズミカルで刻まれた感じがあり、スウィングはもっと滑らかで流れるような動きが特徴です。

どちらもリズムに特別な感覚を加える方法ですが、その使い方や感じ方に違いがあります。

シャッフルビート

三連符の1つ目と3つ目の音符を強調し、中間の2つ目の音符を省略するか軽くすることで、「長-短-長-短」というリズムパターンを作ります。

これがシャッフルの特徴的な「跳ねる」リズムを生み出します。

スウィングビート

8分音符のペアを使用し、最初の音符を長く、次の音符を短く演奏することで「長-短」のリズムパターンを作ります。

これがスウィングの特徴的な「流れるような」リズムを生み出します。

Logic Proでシャッフルリズムを打ち込む方法

シャッフルリズムの歴史については、ブルース、ジャズ、ロックンロールなど、多くの音楽ジャンルで基本的なリズムパターンとして使われてきました。

シャッフルは、三連符の中間のノートを省略することで生まれる、不均等なビート感が特徴です。

このリズムは、特にブルース音楽で発展し、そこからロック、R&B、さらにはポップミュージックにも影響を与えてきました。

シャッフルリズムは、リスナーに踊りたくなるような、ゆらぎのある感覚を与えることで知られています。

タイムストレッチを使ったシャッフルの打ち込み方

はじめにタイムストレッチを使ったシャッフルの打ち込みです。

MIDIノートをグリッド線に沿って3つ打ち込みます。音符の長さが同じであれば、グリッド線に沿う必要はありませんが、簡単にするためにグリッドに沿わせましょう。

次に、MIDIリージョンの下の方にカーソルを持っていき、キーボードの「option」キーを長押しします。

すると、カーソルが変更されてタイムストレッチ機能を使う事ができるようになります。

次に任意の小節までMIDIリージョンをのばすことで3連符を作成できるようになりました。

そのままMIDIリージョンを複製して1小節に音符を並べます。1小節にMIDIノートが12個作られるように複製してください。

複製のやり方は、MIDIリージョンをコピーして貼り付けても良いですし、MIDIリージョンをクリックして「option」を押しながら複製したい場所まで持っていくことで簡単に複製する事ができます。

後は、3つの音の真ん中を消していきます。ここでは②を消していきます。

次に④番目の音ををスネアに合わせます。①から数えて⑩番目の音もスネアに変更すると、シャッフルビートが完成します。

後はお好みに合わせてハイハットを調整したり、オープンハイハットを入れてみたりバスドラムの位置を変更してみたりと、自分のビートを作っていきましょう。

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クオンタイズのスウィングスライダーでシャッフルさせる

次は、クオンタイズ機能を使ってシャッフルビートを刻みましょう。

はじめに、8分音符でも16分音符でも良いので、MIDIノートを打ち込みます。

8分音符であれば、1小節に8つMIDIノートが入るように打ち込みましょう。

ハイハットも一緒に打ち込みましょう。

次に、クオンタイズを選択するプルダウンメニューをクリックします。

1/8-音符から1/8-3連符(1/12)を選択します。もし16分音符で入力している場合には、その下の1/16-3連符(1/24)を選択します。

先ほど打ち込んだMIDIノートを全て選択し、スウィングスライダーを100(マックス)に設定すると、簡単にシャッフルビートを作ることができます。

後は、自分の好みに合わせてハイハットやバスドラムを調整していきましょう。

GarageBandでスウィングビートを打ち込む方法

まずは普通に8ビートを打ち込みます。

8ビートは1小節にハイハットを8つ入れ、バスドラムを1拍目と3拍目に、スネアを2拍目と4拍目に入れます。

次に、ハイハットの偶数MIDIノートを選択します。

タイムクオンタイズのプルダウンメニューを開きます。

その中の1/8Swingを選択します。

AからFまでありますが、スウィングのかかり具合をAからFで決めてあげます。

Fの方に行くに従って、スウィングが強くかかります。

これで簡単にシャッフルビートを作成することができます。

まとめ


ドラムの打ち込みは、音楽制作において重要なステップの一つです。

正しい手法とツールを使いながら、リアルなドラムサウンドを作成することができます。

このガイドでは以下のポイントを解説しました。

DAWソフトウェアの選定とドラムキットの選定


ドラムのパターン作成とリズムの追加


グルーブ感の演出とフィルの活用


ドラムサウンドのレイヤリングとエフェクトの使い方


ドラムのミキシングとマスタリングのポイント


よくある問題とその解決方法


これらのステップを踏むことで、クオリティの高いドラムトラックを作成することができます。是非、実際の制作に活かしてみてください。

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