ゴリラスタジオ監修の本が、Kindleにて好評発売中!
これでLogic Proの全てがわかる!アップデートにも対応!ゴリラシリーズです。
リージョンを操作する前に
リージョンは、プロジェクトには欠かせない重要なものになります。
リージョンと聞いても「何を言っているのかわからない!」と思われるかもしれませんが、慣れれば簡単に理解ができます。
リージョンはオーディオリージョン、MIDIリージョン、Drummerリージョン、ステップシーケンスリージョンと4種類存在しています。
楽器の演奏を録音できたり、MIDIノートの編集、ドラムのパターン変更などさまざまなことが実行できますし、編集方法を覚えることでクリエイティブに楽曲を作成することも可能になります。
それでは、このリージョンの編集で、どんなことができるのか一緒に見ていきましょう。
リージョンを選択する
リージョンを編集するには、リージョンを選択する必要があります。
選ばれたリージョンは、少し明るくなり表示されるので、一目でどのリージョンが選ばれているのか、わかるようになっています。
また、リージョンは1つ選択することも複数選択することもできるので、編集が必要なリージョンを選び、都度調整していく形になります。
トラック内のすべてのリージョンを選択するには、左クリックしたまま全体に動かしてリージョンを選択します。

もう一つの方法は、キーボードのショートカットキーを使用します。ショートカットキーは『command⌘+A』ですべてを選択することができます。

それではリージョンの使い方を見ていきます。
リージョンの種類
リージョンには以下の4つの種類に分かれます。それぞれできる編集が異なります。
①オーディオリージョン
オーディオリージョンは、オーディオインターフェイスから録音したギターやベース、マイクの生歌などを収納する箱になります。
見た目は青いBOXで、ピッチの変更や、タイミングの補正、破壊編集(逆再生や無音化)などオーディオ波形をさまざまな形で編集することができます。

オーディオ・ファイル・エディタを確認するには、『オーディオ・ファイル・エディタの破壊編集』をご覧ください。
②MIDIリージョン
MIDIリージョンは、MIDIキーボードやシンセサイザーなど、MIDI接続した楽器を演奏した時に作られる箱になります。
見た目は緑色をしていて、MIDIノート(MIDIリージョンの中に入っている音符)を自由自在に変更することができます。また、アルペジエイターなどのプラグインを使用することで、ランダムに音符を発音することができるので、楽曲に変化をもたらすことができます。

③drummerリージョン
drummerリージョンは、Logic Proに付属のDrummer機能を演奏させるための箱になります。
見た目は黄色をしています。リージョンごとにドラムのパターンを変更できるため、リズムトラックを作成するにはもってこいの機能になり、リージョンの編集もすばやくできます。
drummer機能に関しては、『Drummer機能を使用する』を参考にして下さい。
④ステップシーケンサーリージョン
最後はステップシーケンサーリージョンになります。ステップシーケンサーは、視覚的にボタンを配置することでリズムなどが作れる箱になります。
見た目は黄色とドラマーリージョンと変わりませんが、リージョンの中身が異なります。
リージョンをダブルクリックすることで、ステップシーケンスを使うことができますので、リズムなどを作って見て下さい。
ステップシーケンスの使い方は『ステップシーケンスを使う』をご覧ください。
リージョンをソロにしたりミュートする

リージョンをソロにしたりミュートすることで、ソロにしたトラックを聴きやすくし、編集できるようになります。
また、いらないトラックをミュートすることで、スムーズな調整が可能になります。
セーフソロ

Logic Proには、ソロボタンの他にセーフソロという機能があります。
セーフソロを設定すると、ソロのボタンに赤い斜線が入ります。
これは、トラックやグループのソロをオンにしても、他のトラックやグループの音が聞こえるようにすることができる機能になります。
例えば、ドラムの音をソロにしてドラムとベースの音を聞きながら調整する場合には、セーフソロを使用し、ミックスのバランスを調整したり、特定の音をミックスに追加したりすることができます。
もちろん、ドラムとベース以外の音はミュートされます。
セーフソロを使用するには、以下の手順を実行します。
1、ソロにしたいトラックを選択します。
2、ソロボタンの上にカーソルを合わせてControlを押しながらクリックします。

3、ソロボタンに赤い斜線がつくので、そのトラックは常に音が鳴るようになります。
4、解除するには、もう一度Controlを押しながらクリックすることで解除できます。
注意点として、Safe Soloはトラックごとに有効にする必要があるため、多数のトラックを持つセッションで使用すると、管理が困難になる場合があります。
ただし、ミックスのバランスを調整するときには、非常に便利な機能であるため、一度試してみると良いかもしれません。
トラックの調整

トラックを見やすく調整したり、または縮めて全体を表示したり、好きな大きさに変更することができます。

トラックのとトラックの間にカーソルを持っていくと、カーソルがこのように変形します。
それをドラッグしながら上や下などに動かすとトラックを大きくしたり小さくしたりすることができます。
マウスの調整
マウスの右クリックや左クリックを使いやすいように設定しましょう。
まず、リージョンで右クリックを押しても、何もメニューが出ないときは、Mac自体の設定を変更します。

アップルマークの中の『システム環境設定』を開きます。

『マウス』を開きます。

主ボタンが『左』か『右』を設定します。

マウスの主ボタンが『左』の場合は、リージョンを選択して『右クリック』することで、リージョンのメニューを開けることができます。
メニューが出てこないという方は、一度マウスの設定を見直してみてはいかがでしょうか?
リージョンの位置を調整する
リージョンの位置を調整するときに、リージョンが重なってしまいイライラする経験は誰にでもあります。
リージョンが微妙に重なるのは『グリッド』が合っていないのが原因です。

グリッドとは、小節の中にある一つ一つの線のことをいい、リージョンをグリッドに沿わせることでピッタリと縦のラインが合うようになります。
ただ、設定でグリッドに沿わせるようにする必要があるので、設定の仕方を見ていきましょう。

トラック領域の画面上に『スナップ』というメニューを開けるところがあるので、そこをクリックし、『グリッドに沿う』を選択するとチェックが入ります。
これでリージョンを動かした時にグリッドに沿うようになります。もう一度押すと『オフ』になります。
『オフ』はグリッドに関係なく配置することができます。微調整するときなどは、『オフ』にして調整しましょう。
スナップの種類
ここからは、グリッドに沿わすことのできるスナップの種類についてみていきます。
スマート
スマートは、自由に小節の中を最も近い小節や拍、サブ拍などにスナップさせることができます。微調整でグリッドにそわせずに、少しだけ動かしたい時などに使用します。

小節
小節に設定すると、小節単位で動かすことができます。

ビート
ビートは小節の中の1拍分のグリッドで動かすことができます。

ディビジョン
ディビジョン値(LCDとルーラに表示されている拍子)にスナップします。
ティック
クロックティック(1拍の1/3840)にスナップします。
フレーム
SMPTEフレームにスナップします。SMPTEの詳細は『Logic Proでリージョンがロックされて動かない』を参照してください。
クォーターフレーム
SMPTEクォーターフレームにスナップします。
サンプル
最も近いサンプルにスナップします。
オフ
「グリッドに沿う」をオフにすることができます。
絶対位置にスナップする
グリッドにピッタリと合わせたいときに、この『絶対位置にスナップする』にチェックを入れておくと、上で紹介したスナップ位置に合わせて、ピッタリとグリッドに合わすことができます。

設定の仕方は、トラック領域のメニューバーで、『スナップ』から『リージョンを絶対値にスナップ』と選択することで選ぶことができます。
リージョンを微調整する
スナップ機能は便利ですが、たまに微調整をしてリージョンを動かしたい時があります。
そんなときは、リージョンを選択して、キーボードの『Option』キーを押したまま左右の矢印キーを押すことで、リージョンを微調整することができます。

トラック領域を高速移動する
トラック領域を高速で左右に移動させたいときは、キーボードの『Control+Shift』キーを押しながら、左右にドラッグすることで、高速に移動させることができるようになります。
ポインタがひし形ポインタに変わりますので、変わった段階で左右にドラッグしてください。

トラック領域のドラッグモードを設定する
トラック領域のメニューバーから『ドラッグ』ポップアップメニューを選択し、次の5つのモードを選択すると、さまざまなリージョンのドラッグモードを設定できます。
オーバーラップ
別のリージョンの上にリージョンをドラッグした場合に、下になったリージョンは残ったままリージョンを被せることができます。

リージョンを元の位置に戻すと、下になっていたリージョンも、元の長さのまま残っています。
オーバーラップなし
オーバーラップなしを選択すると、リージョンを重ねた場合、重ねた部分のリージョンは削除され切れてしまいます。

リージョンを元の位置に戻すと、重なった方のリージョンは切れたままとなります。
クロスフェード
クロスフェードは、リージョンが重なった部分にクロスのフェードを自動で生成してくれます。

シャッフル(R)(L)
シャッフルRとLは、リージョンを移動させたときに2つのリージョン間のスペース(ギャップ)をなくすことができます。

このシャッフルは、リージョンを少し動かしただけでも、隣接するリージョンにピッタリと合わせてくれて、ギャップをなくすことができるようになります。
Logic Pro リージョン操作のまとめ
Logic Proのリージョンの編集のやり方を覚えることで、ストレスなくリージョンを操作することができるようになります。
また、トラック領域で操作がしにくい箇所も、スムーズに操作できるようになるため、ぜひ使い方を覚えて活用してみてください。
それでは、また。