Logic Proの環境設定を開く前に
Logic Proの環境設定でわからないことだらけで困った経験はありませんか?
環境設定を適切にすることで、作業のやりやすさや追加機能など、さまざまな恩恵を受けることができます。
今回はLogic Proで最低限おさえておきたい環境設定を解説していきます。
本日もよろしくお願いします。
環境設定を開くには

Logic Proの環境設定を開くには、画面上のメニューから『Logic Pro』を選択し、『環境設定』の中から各項目に進むことができます。
環境設定『一般』の項目

環境設定の『一般』項目には、プロジェクトの処理や編集、キャッチや通知といった一般的に使用される項目を管理できます。

Logic Proの画面上メニューから、『Logic Pro』→『環境設定』を選択し、『一般…』を選びます。
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リージョン/マーキーの選択時にトラックを選択

『リージョン/マーキーの選択時にトラックを選択』項目にチェックが入っていると、①のトラックのプラグインを表示したまま、②の別トラックのリージョンを選んだ場合に、そのリージョンのトラック②が選択されるため、①のトラックで表示していたプラグインが消えてしまいます。

これを回避するためには、『リージョン/マーキーの選択時にトラックを選択』項目のチェックを外すことで、別トラックのプラグインにリージョンを挿入する場合でも、①のトラックが選ばれたままになるため、プラグインが消えずに済みます。
環境設定『オーディオ設定』項目
オーディオ設定では、入出力するデバイスや、レコーディング時のレイテンシなどを設定することができます。
レイテンシとは遅延のことを言います。レイテンシが発生すると、レコーディングする時に音がズレて発音されるため、レコーディングがやりにくくなります。
「Core Audio」の『有効』

Core Audioドライバを有効にします。
このCore Audio(コア オーディオ)は、アップルのOS(MacおよびiOS・iPadなど)で、音声を扱うフレームワークです。
Windowsにも同名のライブラリがありますが、これとは異なります。
出力デバイス」ポップアップメニュー

内蔵サウンドハードウェアなど、接続されているCore Audioデバイスを選択します。
複数のオーディオインターフェイスで構成される、オーディオデバイスのセットも選択できます。
出力デバイスに自分が使っているオーディオインターフェイスを接続することもできます。
「入力デバイス」ポップアップメニュー

内蔵サウンドハードウェアなど、接続されているCore Audioデバイスを選択します。
複数のオーディオインターフェイスで構成される、オーディオデバイスのセットも選択できます。
出力と同様に、自分の持っているオーデオインターフェイス を接続できます。
入力も備える出力デバイスを設定すると、「入力デバイス」ポップアップメニューもそれに合わせて同じデバイスに変更されます。
別の入力デバイスを選択する場合は、最高の音質が得られるように、両方のオーディオデバイスに共通のワードクロックを使用することを推奨するメッセージが表示されます。
「I/Oバッファサイズ」ポップアップメニュー

オーディオハードウェアが入出力の両方で使用するバッファのサイズを指定します。
I/Oバッファサイズ横のプルダウンメニューから数値を選択することができます。
バッファとは、バッファサイズが小さくなればなるほど、録音時のモニタリングやソフトウェア音源使用時のレイテンシ(音の遅延)が緩和されます。
ただ、値を小さくする(128から64に変更する)とパソコンのスペックによっては動作が非常に重たくなる恐れがありますので、自分の環境にあう設定にして下さい。
逆に値を大きくする(128から512に変更する)場合はレイテンシ(遅延)の発生につながります。レイテンシ0というのは現段階では不可能に近いということです。
注意点
以下注意点です。
①値を小さくすると、コンピュータのプロセッサに対する負荷が高くなります。
②選択したI/Oバッファサイズがコンピュータにとって小さすぎる場合には、再生に影響します。通常、オーディオではクリック、ポップ、クラックルなどのノイズとして現れます。
③オーディオにクリック、ポップ、およびクラックルノイズが発生しない程度に、できるだけ小さなI/Oバッファサイズを指定してください。
I/Oバッファサイズ設定を高くした方が録音モニタリングやソフトウェア音源再生時のレイテンシの抑制に適切である場合は、その設定を使用してください。
このようにすれば、コンピュータのプロセッサに対する影響が最小化されます。
その下の「結果のレイテンシ」(ラウンドトリップ/出力)の表示ですが、先ほどI/Oバッファサイズで選択した値によって、ラウンドトリップ(音の振動をある離れた場所に送って、それが戻ってくるまでの経過時間)と出力レイテンシ(出力してそれがあるとこに到達するまでの時間)が表示されます。
光は発生と同時に眼に到達しますが、音は1メートル進むのに約3ミリ秒を要して耳に到達します。
アメリカにあるサーバーまでデータが届くには、だいたい百数十ミリ秒かかります。
『レコーディングディレイ』
「レコーディングディレイ」スライダは、オーディオ録音を一定の値だけ遅らせます。
これは、オーディオドライバによって起こる遅延を補正するのに役立ちます。
通常、このパラメータは調整する必要はありません。
インターネットライブ配信において映像と音声のズレは大きな悩みです。
音楽ライブでは特に重要視されます。
音ズレは、送出ビットレート値の設定や、回線の状況、映像機器との相性など様々な原因が考えられます。
音声に対して、映像が遅れるという事例では、OBSやXSplitなどの配信アプリや音声入力可能なビデオミキサーでオフセットディレイを調節できるものもありますが、遅延させた音声をモニターする方法は限られていました。
環境設定『自分の情報』項目

曲を共有したり、曲を作った作者を特定したい場合には、この『自分の情報』を選択し、情報を入力します。
情報を細かく管理することで、曲の詳細がわかるようになるので、必要な方は設定しておきましょう。

詳細設定『詳細』項目

詳細設定は、環境設定の詳細から選択します。
一部の詳細機能の有効/無効切り替え
Logic Pro を使いはじめた時に、GarageBandから乗り換えて作業をする人もいると思います。
GarageBandからアップグレードしLogic Proを使うと、作業のスタイルがほぼ一緒なため、すぐに使いこなせるようになります。
ただ、このスタイルを共通にしていると、Logic Pro の機能を十分に使うことができません。
なので、Logic Pro の機能を最大限に使用したい場合は、設定を変更する必要があります。
詳細ツールを表示

『すべての機能を有効にする』をチェックすることで、Logic Pro のすべての音楽制作に使用できる機能がすべて使用可能になります。
また、ここにチェックを入れることで、見た目もGarageBandからLogic Pro の見た目に変更されますので、高級感が増します。
↑機能が大幅に増えます。(その他も増えます)
『すべての機能を有効にする』にチェックを入れると追加オプションが選択できるようになります。
オーディオ
オーディオにチェックを入れると、オーディオ素材の破壊的なオーディオ編集ができるようになります。
破壊的編集とは、波形を無音にしたり、フェードを掛けたり、波形を編集することができます。
サラウンド
この項目にチェックを入れると、サラウンドオーディオ制作に関係するすべての機能が使用可能になります。
サラウンド機能とは、5,1chのスピーカーで映画館のような音で、自宅に居ながら映画を見ているような臨場感を得られる機能のことです。
MIDI

MIDIの項目にチェックを入れると、エンバイロメントを使用することができます。
このエンバイロメントとは、自分で回路を作り、制御させることができます。例えば、ボタン一つで2つ以上のパラメータを動かすことができます。
ただ、難しいので初心者は使わない機能になります。
コントロールサーフェス
コントロールサーフェス機能をオンにすると、使用しているコントロールサーフェスの詳細機能を編集できるようになります。
スコア
スコア機能にチェックを入れると、すべての楽器のスコアを作成することができるようになります。
詳細編集
詳細編集にチェックを入れることで、テンポインタープリタなどの詳細編集機能を使用したり、エイリアスを作成することができます。
追記
このチェック項目は、すべてにチェックを入れることをおすすめします。
使わない機能もあるかもしれませんが、無いよりはいいので、すべての機能を使用できるようにしておきましょう。
Logic Pro X Core Audio『デバイス』環境設定
Logic Proは、接続されているCore Audioハードウェアを自動的に認識します。
Audio MIDI設定ユーティリティ(アプリケーション/ユーティリティ/Audio MIDI設定)で定義されているデフォルト設定を使用します。
ただし、複数のオーディオインターフェイスや複数の入出力デバイスを使用する場合などは、ハードウェア設定ごとに設定を最適化することをお勧めします。
『デバイス』パネル
「デバイス」パネルには、次の環境設定があります。
先ほどから『デバイス』と頻繁に出て来ていますが、デバイスとはコンピューターに接続して使うあらゆるハードウェアのことを言います。
マウス、キーボード、ディスクドライブ、プリンターやiPhoneiPadなど、あらゆる機器を指します。
CPUや電源など、内蔵されている部品もデバイスに含まれます。
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