はじめに
ディザリングって言われても、何のことか分からない。
そういう方が結構いるのではないでしょうか?
今回は、デジタルオーディオの基本とかなり深い関係があるディザリングについて、ひもといていきましょう!
『何をどうするの』『なぜするのか』をしっかりと理解すれば、ディザリングの使い方で心配する必要はなくなるでしょう。
ディザリングとは

ディザリングは、高解像度のデータを、低解像度に変換する時に、どうしてもデータが劣化してしまいます。
そこにノイズを加えることで、劣化が緩和し、低解像度になっても、元のデータに近い形にしてくれる処理のことを言います。
ここで、ノイズって音楽にとっては悪者ではないの?って思われたかもしれませんが、このディザリングで処理をするノイズは、正義の味方です。
正義の味方なら、ディザリングを何度もして、正義ノイズをいっぱい加えれば良いんじゃない?って声が聞こえてきそうですが、ディザリングは基本的に最終の解像度変換時(ダウンサンプリング)に1回のみ行うようにしてください。
あくまでもノイズですので、何回も処理していたら音質が悪くなるからです。
注意しないといけないのが、マスタリング用のプラグインです。
マスタリング 用のプラグインにディザリング機能が付いている場合があります。
もし、これを使う場合は、DAW側のディザリングはOFFにする必要があります。
でないと、二重にディザリングが掛けられることになってしまいます。
これは危険です。
では、もっと詳しく見ていきましょう。
ディザリングの基本概念
ディザリングは、デジタル音声処理において生じる「量子化誤差」と呼ばれる問題に対処する手法です。
量子化誤差は、アナログ信号をデジタルに変換する際に生じる誤差で、これが原因で音声にノイズや歪みが生じることがあります。
ディザリングは、この量子化誤差を最小限に抑え、音声の品質を向上させるために導入されました。
ディザの役割
ディザリングでは、ランダムな信号(ディザ)を元の信号に追加します。
このランダムな信号は非常に小さく、人間の耳では聞き取りづらい程度です。
しかし、このランダムな信号が量子化誤差を分散させ、結果としてノイズや歪みを均等に分散させる役割があります。
つまり、ディザは音声に発生する誤差をランダム化し、不快なノイズを均等に分散させることで、より自然で滑らかな音声を実現します。
Logic Proでのディザリングの重要性
Logic Proでは、ディザリングは特に量子化ノイズの軽減に役立ちます。音楽制作において、特に静かな部分や低音域でのノイズは非常に目立ちます。
ディザリングはこれらのノイズを効果的に抑制し、高品質な音声を実現します。
特にデジタル音楽制作においては、ディザリングは欠かせない要素となっています。
ディザリングによって、デジタル音声処理の際のノイズや歪みを最小限に抑え、よりクリアで高品質な音楽制作が可能になります。
ディザリングの使い方
それでは、ディザリングの使い方を紹介していきます。
その1。
必要が無い限り、ファイルタイプは変更しない。
これは、例になりますが、48kHz、24bitで録音したデータは最後の最後まで48kHz、24bitを変更しないでください。
最終CDなどに解像度を落とす時にディザリングを行います。(CDは44.1kHz、16bitのため)
その2。
32bit floatファイルを書き出す事ができればディザリングはしなくていい。
マスタリングのためにミックスファイルを送信する場合、32bit floatファイルを書き出すことができればディザリングしないでください。
この場合、マスタリングの時にディザリングをおこないます。
以上の事を守れば、ディザリングについては失敗する事はないでしょう。
ディザリングの種類
Logic Pro などでディザリングをする場合は、POWr #1、POWr #2、POWr #3、UV22HRがありますが、全て音質を確認して、自分にあったディザリングを行なってください。ディザリングしない方がいい場合もありますので。
32-bit float。またややこしい名前が出てきましたね。
これもまた、『32bit-floatとは』で解説致します。
Logic Pro ディザリングまとめ
今回はディザリングについて解説して来ました。
ダウンコンバートする時には、必須のテクニックになりますので、ぜひ覚えておいて下さい。
ディザリングは一度だけ最終のマスタリング時に適用するということも念頭に置いて使って行ってくださいね。
まだまだ沢山覚えることがありますので、ぜひ記事をいろいろ読み、テクニックを習得していって下さい。
それではまた。
Q&Aディザリングに関するよくある質問
Q1. ディザリングって具体的に何を指すのですか?
ディザリングは、音楽やオーディオ制作において、デジタル信号の量子化誤差を最小限に抑えるための手法です。
具体的には、信号に微小なノイズを加えることで、誤差を均等に分散させ、より滑らかな音質を実現します。
Q2. ロジックプロでのディザリングって必要なの?
はい、ロジックプロでもディザリングは非常に重要です。デジタル録音や音楽制作において、ディザリングは量子化誤差を最小限にし、高品質な音楽を得るための不可欠なプロセスです。
ロジックプロはディザリング機能を豊富に備えており、適切な設定が必要です。
Q3. どんなディザリング手法が一般的ですか?
一般的なディザリング手法にはトリアングルディザリング、レクタングルディザリング、シャーマンディザリングなどがあります。
それぞれの手法には特長があり、状況や好みによって選択することが重要です。
ロジックプロでのディザリングに関する疑問解決
Q4. ロジックプロのディザリング設定において注意すべきポイントはありますか?
ディザリングの設定においては、プロジェクトの要件や使用しているオーディオインターフェースによって異なる場合があります。
サンプリングレートやビット深度、ディザリング手法の選択など、状況に合わせて慎重に設定を行うことが重要です。
Q5. ディザリングを施すことで音質が向上する具体的な例を教えてください。
例えば、低いビット深度で録音した場合、ディザリングを施すことでノイズが均等に分散され、より自然で滑らかな音質を得ることができます。
これにより、特に静かな部分での歪みやノイズが軽減され、聴き心地が向上します。
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