ゴリラスタジオ監修のGarageBandの本が、Kindleにて好評発売中!
GarageBandの使い方やスコアの作成、MIDIの操作方法など盛りだくさん。
ミックスのやり方や、音源のデータを共有などをわかりやすく解説。
わからない操作を目次で早引き!新しい情報を随時公開!
ゴリラシリーズです。
コンピングのやり方
ヴォーカルコンピングとは、どういったことを言うのでしょうか?コンピングと聞いても、あまりパッとする人は少ないかもしれません。
コンピングを知れば、信じられないほど強力な効果を発揮するテクニックになります。
正しく行うとヴォーカルトラックを今以上に輝かせることも可能になります。
GarageBandでも、このコンピングはできるのか?また、どのように操作すればいいのか?
これから、GarageBandでのヴォーカルコンピングについて見ていきます。
ヴォーカルコンピングとは?
ヴォーカルコンピングとは、ヴォーカルを複数テイク録音し、2つ以上のテイクのパートを組み合わせて、良いとこ取りをし、最適なヴォーカルトラックを作成することです。
コンピングはヴォーカルに限定されず、多くの楽器(ギターやベースなど)にもコンピングできますが、録音時にヴォーカルに対してコンピングを説明されることがよくあります。
ヴォーカルコンピングは、録音された音楽、特にポップミュージックを代表して良く普及しています。
すべてのトラックを適切に処理(波形を適切に処理)して、1つのまとまったヴォーカルコンピングが不可欠になってくるのです。
なぜボーカルコンピングが必要なのか?
では、なぜヴォーカルコンピングが必要になってくるのでしょうか?
それは、ほぼ完璧なテイクを一発で録音することは、ほぼ不可能に近いからです。
人間ですからミスをしてしまいます。
ミスをしてしまうと、ヴォーカルを最初から録音し直す必要がでてきます。
このミスをしたテイクに、絶対に録音できない最高の歌が録音できていた場合は、二度とその歌を録音することはできなくなります。
また、ヴォーカルテイクを編集していくなかで、間違えて破壊編集(二度と戻すことができない編集)をしてしまうと、後日録音のやり直しをしないといけなくなります。
すぐに録音できる場所ならいいですが、遠距離で録音することができない場合や、データが壊れてしまい使い物にならなくなったりすることもあります。
このようにヴォーカルコンピングは、さまざまなリスクを軽減し、保険の意味もかねて、最良のテイクを素早く簡単に作ることができるテクニックの一つになります。
ヴォーカルコンピングについて、なんとなく理解できたのではないでしょうか。
それでは、GarageBandでヴォーカルコンピングを行う方法を見てみましょう。
GarageBandでヴォーカルコンピングをやってみる
ステップ1:プロジェクトを開く
まずは、プロジェクトを開きます。
新しいプロジェクトを開始するには、新規作成をし、既存のプロジェクトをロードするには、『既存プロジェクトを開く』を選びます。
ここで注意すべき点があります。
既存のプロジェクトをロードする場合、以前に録音したヴォーカルテイクの音量と、これから録音するヴォーカルテイクの音量を同じに設定し、録音する必要があります。
マイクの距離や、ポップガードの位置、マイクの設置場合などでも、ヴォーカルテイクの聞こえ方が変わってきます。
したがって、コンプする場合は、以前に録音した環境や設定を合わせるか、それが難しい場合は、新しく録音することをおすすめします。
ステップ2:サイクルを設定し録音する
次に、サイクルの設定をします。
サイクルの設定をすることで、同じ箇所を何度も録音することが可能になります。
サイクル録音のメリットは、ベストテイクが取れるまで歌い続けることができることです。
間違えても次のサイクルの時にうまく歌えればいいのですから、緊張がほぐれ、うまく歌えたテイクだけを使うことができるのです。
もう一つのメリットは、自分ひとりで録音する場合に、録音ボタンを押してからヴォーカル録音をするとどうしても最初の何小節かが歌えないため、何小節も前から録音することになり、手間がかかります。
しかし、このサイクル録音をすることで、ずっと録音状態になるので、良いテイクが取れた段階でストップを押せばいいだけなのです。
後から良いテイクを探して、そのテイクを適用することができるので、簡単に一人で録音ができるでしょう。
ステップ3:オーディオトラックを使う
ヴォーカルを録音する時には、オーディオトラックを使いましょう。
オーディオトラックは、生の歌や楽器を録音するために使うトラックになります。
間違えても、ソフトウェア音源やDrummerトラックを選ばないようにしましょう。
録音したくても、これらのトラックでは録音することができませんので。
ステップ4:録音してテイクを確認する
ベストな録音が2〜5トラックほどできたら、リージョンの左上にテイク数が表示されるので、その数字をクリックして任意のテイクを選ぶようにします。
テイクフォルダでは、それぞれのテイクを確認することもできます。
ステップ5:別のトラックに録音する
ベストテイクが選べたら別のトラックを用意して、新たに録音を開始します。
そこでもベストなテイクが選べた場合には、次のトラックに録音していく…。という流れになります。
ステップ6:録音したトラックの良いところを分割していく
3、4トラックが録音できたら、それぞれのトラックの良いところを抜き取る作業になります。
カットなどを使い、聞こえが良いところだけを抜き取るようにしていきましょう。
ステップ6:オートメーション処理をする
リージョンの切れ目にオートメーション処理を入れます。
このオートメーション処理をすることで、カットした際の切れ目の『プツプツノイズ』を除去することができます。
使い方は、波形をできるだけ大きく表示させて、リージョンの終わりと始まりにオートメーションを書きます。
リージョンが終わるところでオートメーションを下げます。もう一つのリージョン波形が始まるところでオートメーションを上げます。
ヴォーカルコンピングまとめ
いかがでしたでしょうか?
コンピングについて、分かったのではないでしょうか。
ヴォーカルテイクは、録音する他の楽器の中でも、一番難しいパートになります。
そのためにも、録音テイクを失わずに、保険の意味もかねて、2〜5テイクほどは録音しておき、コンピング編集を使っていけばいいのではないでしょうか。
コンピングのやり方も人それぞれだとは思いますが、最良なやり方を発見し、コンピング技術の向上に精力していただけたら幸いです。
今回はヴォーカルのコンピングでしたが、このテクニックはどの楽器にでも使えるので、コンピングテクニックを駆使して、最良の音楽を作っていってください。
それではまた。
Recent Posts