はじめに
最近ではiPhoneなどの普及で、どこにいても音楽やYouTubeが楽しめる時代になりました。そこで、重要になるのがヘッドホンやイヤホンになります。
携帯性を考えた商品がたくさん出ている中で、音質的にも向上している製品が非常に多く、初心者はどのヘッドホンを購入するべきなのかがわからないのも実情です。
仕様を見たところで、なんのことかさっぱり分からないという方もおられるのではないでしょうか。
今回は、最新のヘッドホンの選び方や信頼できるメーカーをご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
ヘッドホンの種類
ヘッドホンは、ハウジング(音を発生させるところを覆っているパーツ)の構造で『密閉型(クローズド』と『開放型(オープンエアー)』この両方を兼ね備える『半開放(セミオープン)』の3つに分けることができます。
それぞれ使用する用途がちがいます。
密閉型(クローズド)
密閉型は、ハウジングが密閉されていて音漏れが少ないのが特徴になります。密閉型は外からの音も入りにくいため、屋外での使用やレコーディングでの使用に向いています。
ただ、密閉していることで耳への負担が大きくなるというデメリットもあります。
ポータブルヘッドホンは、屋外で使用することを想定しているためほとんどのヘッドホンが密閉型となっています。
開放型(オープンエアー)
開放型は、ハウジングにメッシュなどを設けてハウジング部分を開放し空気の出入りをよくした構造になっています。ハウジングが開放されているため、音がクリアで耳への負担も少なくて済みます。
長時間の音楽をリスニングする場合などによく使われるヘッドホンになります。
密閉型とは対照に、音漏れが大きく自宅や室内でリスニングするのに向いているヘッドホンとなるます。
半開放(セミオープン)
半開放ヘッドホンは、密閉型と開放型の両方の特性を備えて作られているため、両方の良いところを採用しています。
ただ、密閉型に比べると若干音漏れがするため、やはり屋外やレコーディングには向いていないと言えます。
ヘッドホンのドライバーユニット(音がなるところ)の種類
ドライバーユニットは、ヘッドホンでいうところの音がなっている部分になります。
ドライバーユニットは大きければ音質が向上しますが、デメリットとして重量が大きくなり高域成分が少し落ちます。そのため長時間の使用は耳への負担が大きく、高域成分が少なくなることで、少しこもった音になります。
ドライバーユニットには、『ダイナミック型』『バランスドアーマチュア型』『コンデンサー型』の3種類があります。以下見ていきましょう。
ダイナミック型
一般的に使われているヘッドホンに採用されているのがこのダイナミック型になります。構造は磁気回路を使用して振動板を振動させています。特徴としてはパワフルな重低音の再生ができるドライバーユニットになります。
バランスドアーマチュア型
バランスドアーマチュア型は、イヤホンなどで用いられているドライバーユニットになります。小型化がしやすくクリアな音質で聴くことができるのが特徴となります。
音質的にはヘッドホンの方が良いですが、ジョギングなどで音楽などを聴く時はこちらの方が向いています。
コンデンサー型
コンデンサー型は専用アンプを必要とするドライバーユニットになりあます。使用目的は、繊細な音を聴く時に使用され、クラッシックを家でゆっくりと聴きたい時などはこのコンデンサー型のドライバーユニットを搭載したヘッドホンを使います。
装着タイプの種類
装着タイプは耳を覆うように装着する『オーバーイヤー型(アラウンドイヤー)』耳に被せるように装着する『オンイヤー型』の2種類があります。
オーバーイヤー型
オーバーイヤー型は、装着時に耳全体を包み込むデザインで、安定したフィット感を提供します。
そのため、長時間使用していても耳への負担が軽減されます。
一部のモデルは大型であり、そのため少し重量が感じられることがありますが、その点を除けば素晴らしい音響体験が得られます。
オンイヤー型
オンイヤー型は、耳にのせるような形で装着するタイプになります。オーバーイヤーに比べると重量が少ないですが、長時間装着していると耳が結構痛くなります。
わたし的には、締め付け感があるためか長時間の使用には向いていないですね。
ただ、軽量化することでお洒落なヘッドホンが多いため、オーバーイヤー型よりはスタイリッシュになります。
ヘッドホンのスペック確認
ヘッドホンには、製品ごとにスペックが書かれています。スペックを確認して自分が求めているヘッドホンを探してみてください。
ここからはスペックの見方について解説していきます。
形式
『形式密閉:ダイナミック型』このように書かれていた場合、形式の『密閉』の部分がハウジング部分となり
密閉=クローズド
開放=オープンエアー
半開放=セミオープン
となります。
また、『ダイナミック型』と書かれているところが、ドライバーユニット(音を発生させるところ)がどの形式かを表しています。
ドライバー口径
ドライバーユニット:40mm、ドーム型(CCAW採用)
ドライバーの形状や大きさを表しています。上でも説明しましたが、ドライバーユニットが大きくなればなるほど、重量が重くなり、高域成分が失われる傾向にあります。
最大許容入力(mW)
最大入力:1,000mW
ヘッドホンに音声信号を入力した際に、このヘッドホンがどれだけの信号(電力)に耐えられるかを示した数値になります。
ヘッドホンは音を受ける装置になりますので、出力表記ではなく、入力表記となっています。
この数値は、よほどの爆音で聴くことがない限り、気にする必要は全くありませんし、簡単に焼けるような耐久性のヘッドホンは販売していないと言ってもいいでしょうね。
インピーダンス
インピーダンス:63Ω
電気抵抗です。インピーダンスの値が小さいほど、流れる電流が多くなるため最大音量が大きくなります。この値が大きければ音量が小さくなります。
音圧感度
音圧感度:106dB/mW
音圧感度は、ヘッドホンの音の強さを表す数値で、1mWの電力を与えた時に、1kHzの音がどのくらいの音圧レベルで得られるかを示す値になります。単位は『d B/mW』で表記されます。
一般的にこの値が大きければ音量が大きくなり、小さいと音量が小さくなります。
各メーカーによって、表記が同じ値でも算出方法が違うため、あくまで目安の数値としてとらえておいてください。
再生周波数特性
再生周波数帯域:5~30,000Hz
ヘッドホンが再生できる周波数範囲を示しています。上の例では、5Hz〜30kHz(30,000Hz)になり、人間の可聴領域である20Hz〜20kHz(20,000Hz)をカバーしていることになります。
この人間の可聴領域を超えるスペックを選ぶのがいいでしょう。
コードの長さおよび太さ
コード長:2.5m
コードの太さ:Φ4.0mm
コードの太さや長さを示します。コードは長すぎても音質的に劣化してしまいます。逆に短すぎると、ヘッドホンをしてギターを弾いたりすることがむずかしくなります。
適度な長さを選ぶようにしてください。例の2.5mほどあればストレスなく使用できます。
プラグの形状
プラグ:ステレオ標準プラグ
ジャックの形状を示しています。標準プラグはイヤホンなどについているものでは無く、もう少し大きめのサイズのプラグになります。
質量
質量:約200g(コード含まず)
全体の重さになります。
おすすめヘッドホン(モニターヘッドホン)
ここからは、レコーディングやモニタリングに最適なリスニングヘッドホンとモニターヘッドホンを紹介していきます。さまざまな種類やタイプのヘッドホンを紹介していますので参考にしてみてください。
Roland
RH-200S シルバー

RH-200Sは、好評のRH-200のカラー・バリエーション・モデル。ネオジウム・マグネットを使用した直径40mmのドライバー・ユニットを利用。
ワイド・レンジ、かつ原音に忠実な高精度のモニタリングができる密閉タイプのモニター用ステレオ・ヘッドホンです。
クリアな音質のため明確な音像が確保でき、ホーム・スタジオでのレコーディングやミキシングはもちろんのこと、放送や音声編集など音楽制作の現場で多用途に活用できます。
また、長時間の使用を配慮し、大型ながらも薄く軽量なハウジングを採用。装着感に優れ、片耳モニターも快適に行うことができるのが特徴です。
(スペック)
型式:密閉ダイナミック型
ドライバー:φ40mm
感度:100dB
再生周波数特性:20~20,000Hz
最大許容入力:1,600mW at 1kHz
インピーダンス:65Ω
ケーブル:ストレート・コード(OFCリッツ線)
プラグ ステレオ・ミニ・タイプ(ステレオ標準プラグ用アダプター付き)
質量 200g(コード、プラグ含まず)
audio-technica
ATH-M50x

定番スタジオモニターヘッドホン。
メンテナンスが手軽に行なえる着脱コード(バヨネット式ロック機構)を採用。
利用シーンに合わせて選べる3本の着脱コードを付属。(1.2mカールコード、3mストレートコード、1.2mストレートコード)
持ち運びに便利な折りたたみ機構。
スタジオレコーディングやミキシングに最適。
モニターヘッドホンならではの広帯域でフラットな特性で解像度の高いモニタリングを実現。DJやトラックメイカーにもおすすめです。
(スペック)
型式:密閉ダイナミック型
ドライバー:φ45mm、CCAWボイスコイル
出力音圧レベル:99dB/mW
再生周波数帯域:15~28,000Hz
最大入力:1,600mW
インピーダンス:38Ω
質量(コード除く):285g
プラグ:φ6.3mm標準/φ3.5mmミニ 金メッキステレオ2ウェイ
コード:OFCリッツ線1.2mカールコード(伸長時約3m)、FCリッツ線3mストレートコード、OFCリッツ線1.2mストレートコード
ATH -EP1000IR

ATH-AD900X

AKG
K240 STUDIO-Y3

プロが求める音質をコストパフォーマンス高く実現したセミオープンエアー型スタジオヘッドホン。
プロ用モデルのために開発された独自の「XXLトランスデューサー」を搭載しています。ダイヤフラムには、2種類の素材を組み合わせた「TWO-LAYERダイヤフラム」構造と中心部と外縁部で厚みを変える「バリモーション・テクノロジー」を採用。
一つ一つの音を丁寧に描き出し、微細な残響音さえも余すことなく正確に再現するモニターヘッドホンです。
(スペック)
構造:セミオープンエアー型
感度(1kHz): 91dB SPL/mW
再生周波数帯域:15Hz~25kHz
最大許容入力:200mW
インピーダンス:55Ω
イヤーパッド:アラウンドイヤー、着脱式、合皮製
入力コネクター:3.5mmステレオ・ミニプラグ(金メッキ)
ケーブル:着脱式、片出し
質量:230g(ケーブル除く)
K 371-BT

K 371-BTは、高品位なスタジオクオリティのサウンドを有線接続かワイヤレスのどちらか好きな方で使うことができるプロフェッショナルなスタジオヘッドホンになります。
イヤーパッドは、低反発フォームを採用し、装着感が快適になるオーバーイヤーデザインと、長時間つけても疲れにくく遮音性に優れた密閉型設計になっています。
耐久性も高く、野外で使用したりスタジオで使用しても安心して使うことができます。音の遅延もあまり気にならないでしょう。
コンパクトに折り畳めるため、机の上に置いたときにも場所を取らない構造になっています。
スペック
型式:ダイナミック、密閉型
ドライバー:チタンコーティング、50mm
ボイスコイル:Pure OFC voice coil
Bluetoothバージョン:5.0
対応コーデック:SBC/AAC
周波数特性:5~40,000Hz
充電時間:約2時間
重量:300g
ケーブル:着脱式、3.0m(カールタイプ)/1.2m(ストレート)※ケーブルはミニXLR4ピンです。
プラグ:3.5mmステレオミニ、変換アダプター付属
K 712 Pro

オープン型ヘッドホンのK 712 Proは、AKGの最新技術が詰まったフラッグシップモデルヘッドホンになります。
低音から高音までをリアルに再現し、幅広い周波数でバランスよく音がなってくれるので、聞いていて気持ちが良いです。
臨場感が豊かなヘッドホンになるため、レコーディングの感情表現も出しやすいのも魅力の一つ。
オシャレでシックなデザインのK 712 Proは、長時間のリスニングやモニタリングでも疲れることがなく、快適に作業することができるでしょう。
パッドがへたっても、交換できるので長く愛用することもできます。
【仕様】
型式:密閉型
スタイル:オーバーイヤー
ドライバー径:直径40mm
周波数特性:10Hz〜39,800Hz
インピーダンス:62Ω
感度:93dB/mW
ケーブル長さ:・3m(ストレート)・5m(カールコード、伸長時)
ケーブルタイプ:片出し、着脱式
プラグ:ステレオミニ/ステレオ標準
プラグ形状:ストレート
重量:298g
YAMAHA
HPH-MT5W

CCAWボイスコイル採用の40mmカスタムドライバーを搭載し、幅広い帯域で正確なレスポンスを確保オーバーイヤー、密閉型デザインにより高い遮音性を実現しています。
可動イヤーカップにより片耳モニターも可能に。
(スペック)
構造:オーバーイヤー型
感度(1kHz): 100dB SPL/mW
再生周波数帯域:20Hz~20kHz
最大許容入力:1,600mW
インピーダンス:51Ω
入力コネクター:3.5mmステレオ・ミニプラグ、6.3mm ステレオ標準プラグ
ケーブル:3.0mストレート着脱式
質量:245g(ケーブル、プラグ除く)
SONY
MDR-CD900ST

元々は、CBSソニー信濃町スタジオ(現:ソニー・ミュージックスタジオ)で使用することを目的として開発されたMDR-CD900STが、スタジオユースの業務用として販売するに至り、数多くのレコーディングスタジオで愛用されるようになりました。
ただ、最近では時代の流れとしては少し古いのかもしれません。
低音域の伸びが少なく、高音が強調されるような感じも見受けられるため、違うヘッドホンを買う人も少なくありません。
原音イメージそのままのどこまでもピュアな音質でレコーディングスタジオやポストプロダクション、放送局など、プロの世界で求められるクオリティと耐久性を徹底的に追及し、独自に開発したドライバーユニットを採用。
これによって歪みの少ない原音イメージそのままのクリアな音質の獲得に成功しています。
独自開発のドライバーユニット採用により、モニタリングに必要な分解能(検知限界)も大幅に向上。
音の輪郭から定位、エコーの拡がり感などの微妙な違いをつぶさに再現し、”本物の音”を耳に伝えます。
耐入力(最大入力:1,000mW)やフレーム・カバーの強化により、音のクオリティを重視するとともに、レコーディングスタジオや放送局などでの使用に耐えうる耐久性・安定性を実現しています。
様々な条件をプロの立場から追及することにより、スタジオエンジニアやミュージシャンからの高い評価と信頼を得ています。
(スペック)
極めて高解像度で音の輪郭が明瞭、聴感上幅広い周波数レンジを持つのでミュージシャンが音を聴き取りやすい。
耐入力やフレーム・カバーの強化、折りたたみ機構の排除、独自開発のスピーカー・ユニットによりレコーディング・スタジオや放送局などでの使用に耐えうる耐久性・安定性を実現。
型名:MDR-CD900ST
形式密閉:ダイナミック型
ドライバーユニット:40mm、ドーム型(CCAW採用)
最大入力:1,000mW
インピーダンス:63Ω
音圧感度:106dB/mW
再生周波数帯域:5~30,000Hz
コード長:2.5m
コードの太さ:Φ4.0mm
プラグ:ステレオ標準プラグ
MDR-7506

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世界中のミュージシャンなどが愛用しているスタジオモニターヘッドホンになります。
低音のふくらみと、やわらかい印象のサウンドが特徴になり、どんな音楽でもバランスよくリスニングすることができます。
MDR-CD900STは赤のラインですが、MDR-7506は青のラインになります。
折り畳み可能なため、場所を取らずに持ち運びにも便利。
【仕様】
タイプ:ダイナミック密閉型
ドライバー:40mmダイアフラム
インピーダンス:63Ω
音圧:106dB/mW
最大入力:1,000mW
周波数特性:10~20,000Hz
コード長:3m(カールコード)
プラグ:3.5mmステレオミニ/6.3mmステレオ標準 (変換プラグ付き[ネジ込タイプ])
重さ:約230g
SHURE
SRH840-A

ShureのSRH840リファレンス・スタジオ・ヘッドホンはプロのオーディオエンジニアやミュージシャン用にデザインされており、正確なリスニングやプロのレコーディング用に最適化されています。
密閉型サーカムオーラル(耳をすっぽり包むタイプ)デザインにより、快適な装着感が得られ、バックグラウンドノイズを低減します。
人間工学的なフィット感をもたらすパッド付きのワイドなヘッドバンドは長期間優れた快適性を保持し、緻密に作り上げられた周波数レスポンスは豊かな低音域、クリアな中音域、幅のある高音域を再現します。
折り畳み可能で保管や持ち運びが容易です。キャリーバッグは持ち運びや保管時にヘッドホンを保護します。^また、交換可能なケーブルやイヤパッドにより長期間の使用が可能です。
(スペック)
形式 密閉ダイナミック型
ドライバー口径 40mm
感度(1kHz)102dB/mW
周波数帯域 5Hz-25kHz
インピーダンス(1kHz)44Ω
ケーブル 片出し3mカールケーブル(着脱式、OFC)
質量 約365g(ケーブル除く)
ゼンハイザー
HD 200 PRO

密閉型・アラウンドイヤー型により周囲ノイズを減衰します。
パワフルな低音が特長で、ソフトなイヤーパッドがフィット感と快適性を向上します。
非常に軽量な密閉タイプのヘッドホン、側圧もきつくなく長時間の使用にも最適です。クッションのよく効いた固めのパッドで着け心地もよく。ヘッドバンドを微調整することができるのでフィットも比較的良好。密閉度はかなり高いので音漏れもないため、電車の中での利用も問題ありません。DJ用途も意識したタイプの製品です。
【仕様】
形式:ダイナミック密閉型
インピーダンス:32Ω
周波数特性:20hz〜20,000Hz
感度:108dB
プラグ:3.5mmステレオミニ(変換アダプター付き)
ケーブル長さ:2.0m
重量:約184g
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