キックとベース の処理をする前に
皆さんは、低音の処理に苦労していますか?作っている曲で、カッコいい曲ができたと思っても、バウンスして音を確認するとペラペラの音で、びっくりするくらい音圧が無い!なんてことはありませんか?
それは、楽曲の低音をうまく処理できていないためです。
キックとベースは楽曲の低音を支えるとても重要な楽器になり、とても親密な関係にあります。
今回は、このキックとベースの処理について考えていきます。
『効果音』を販売中!クリックして確認しよう!!
周波数帯域を考える
まずは、周波数の各帯域を確認していきましょう。
①20Hz~100Hz
②100Hz~500Hz
③500Hz~2kHz
④2kHz~8kHz
この4つの区分について、EQ(イコライザー)ポイントがそれぞれ存在します。今はまだザックリとした認識でいいです。
これから、この4つのポイントについてみていきます。
EQ(イコライザー)ポイントの位置は、使う素材の音色などによって処理のやり方は変わってきますが、そこは自分の耳で確かめながら処理をすることになります。
EQ(イコライザー)ポイントをカットし、キックかベースのどちらかがスッキリ聴こえるポイントを探すのと、ブーストをしてスッキリ聴こえるポイントを探してみましょう。
低音のEQ処理の手順
まずは、スッキリとするポイントを探してみましょう。
①EQを挿してQを狭めに設定します。
②GAINを10dB以上下げていきます。(使うEQによって下げれるdBは変わってきますので、下げれるのならそれ以上下げて下さい)
③キックとベースを同時に再生しながらFreqを変化させて左右にカーブを動かしていき、キックかベースのどちらかが聴きやすくなるポイントを探します。
キックを目立たしたい場合はキックを聴きやすく、ベースを主役にするのなら、ベースを聴きやすくさせます。
続いて、キックやベースの音色を変化させて、聴きやすくさせていきます。
①先ほどと同様にEQ(イコライザー)を挿してQを狭めに設定してGAINを6dBくらいまで上げていきます。
②キックとベースを同時に再生しながらFreqを変化させて左右にカーブを動かせながら、キックかベースが主張するポイントを見つける。
もし、ポイントが見つけられないという人は、Qを広くして確認すると、意外と好みの音に近づける事ができます。
ブーストで音色をつくる時は、自分の好みの音(カッコいい音)にできればOKです。
ポイントが見つかれば、あとはQ幅を狭くして調整していきます。
各周波数のポイント
【20Hz~100Hz】
この帯域は、キックやベースの重量感がともに存在している帯域になり、ここの処理をミスしてしまうと、最後まで残念な音になってしまいます。
超低域を担当するポイントになるため、慎重に処理をしていきます。
一般的には40~80Hzあたりからハイパス(ローカット)でカットしますが、このハイパス(ローカット)を使ってキックとベースの位置関係を決めます。
よく言われるのが、キックが上かベースが上かというように、土台にどの音をもってくるかを決めるのです。
手順は以下の通りです。
①上に配置させたい楽器(キックかベース)の超低域~低域(20Hz~80Hzあたり)をハイパス(ローカット)でカットします。
②ハイパスでカットする周波数の位置をキックとベースで少しずらしてみて、それぞれの位置関係を確認する。
例えば、キックを下に配置したいならベースを20Hz~80Hzあたりからローカットを入れて、ベースを下に配置したいのならキックを20Hz~80Hzあたりからローカットを入れます。
仮に、キックは40Hzくらいからローカットを入れるのなら、ベースはそれよりも高い周波数からカットを入れると、お互いに差が生まれ上下の関係をつくることができるようになります。
【100Hz~500Hz】
この帯域は、キックやベースの音色(キャラクター)が決まると言っても言い過ぎではないくらい重要なポイントとなります。
また、その他の楽器とも干渉するポイントとなるため、この帯域の処理を間違うと各楽器と混ざり合った時に、どの楽器が主役なのか分からなくなります。
特にベースの芯は100~200Hzあたりに多くあるため、この帯域をカットするとキックの音がハッキリしてきます。
ただ、ベースの帯域をカットしすぎると、ベース本来の成分が無くなってしまうので、自分の耳で確認しながら調整していきます。
キックとの住み分けを考えて、100Hzあたりはキックの周波数を多く出し、200Hzあたりはベースの周波数成分を多く出すというように、譲り合いをしましょう。
500Hz付近はヴォーカルやギターなどの周波数帯域も重なるため、主人公を決めて処理をするのもいいかもしれません。(どの音を前に出したいのか)
【500Hz~2kHz】
キックのヘッドの音とベースのラインが存在する帯域になります。
ベースのラインが曲を通してあまり聴こえないときは、ぶつかっているキックの帯域を少しカットするとラインが見えてくる場合があります。
逆にベースをカットすると、キックのヘッドの音が前に出てきます。
自身が作成している曲のジャンルに合わせて音を決めていくのがいいんではないでしょうか。
【2Hz~8kHz】
キックのアタックとビーター音、ベースの弦のパリっとした成分が含まれる帯域になります。
ここでのポイントは、お互いのアタック成分が、かぶらないように処理することがポイントとなります。
アタックの周波数範囲は、結構広範囲に広がっているので、キックやベースの勢いがベストな位置を探してやりましょう。
キックとベースのミックスまとめ
キックとベースの低音をまとめるのはとてもむずかしいのですが、丁寧に処理をすることで土台がしっかりとした曲を作ることができます。
周波数は扱う素材によって若干変わってきますが、何度も処理をしていくことで感覚的に覚えてきますので、何度失敗してもあきらめずに、続けていくことが、成功への近道になります。
低音を調整し、迫力のある楽曲に仕上げて行って下さい。
それではまた。
Recent Posts